これまでと考え方を変えないと人生100年時代を生き抜くことは難しくなります
「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになりました。
きっかけとなったのは、2016年に刊行されたロンドンビジネススクールの教授のリンダ・グラットン教授らによる著書『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)です。
皆さんは、自分が100歳まで生きることを考えたことがあるでしょうか?
私の想像なんですけど、
「医療の進化はすごいね。そうは言っても自分は100歳まで生きることはないだろう」なんて、完全に他人事の方が大半なのではないでしょうか。
かくいう私も、これまで"全く"考えてきませんでした。
しかし、諸事情により、1月からは時間のゆとりと心のゆとりが生まれ、未来のことについて少しだけ考える余裕が出てきました。
そして、何となく理解したつもりになっていた「ライフシフト」という言葉、自分が100歳まで生きることについて考えていくと、ものすごく不安になりました。
私自身の考えは、これからじっくり時間を掛けてまとめていきます。
まずは、私抱いた危機感を共有します。参考になれば幸いです。
ライフシフトのメッセージ
ライフシフトは、「医療の進化・テクノロジーの発達により、人間の寿命が100歳まで延びる」という単純な話ではありません。
そうなることがほぼ確定している未来に対して、これまでの生き方を続けていくことはできないから、人生100年だという前提で、自分の人生を自分でデザインしていきましょうというのが大きなメッセージです。
逆の表現をすると、従来どおりの考え方のまま、流された人生を送ると100年人生を幸せに過ごせませんよというメッセージです。
生活資金が不足する
真っ先に心配になる生活資金です。
一般的なイメージは、こんな感じではないでしょうか。
60歳で定年退職。その後は、年金が満額支給される65歳まで再雇用などで働き、その後は退職金や年金などで悠々自適に過ごす。
残念ながら、このプランでは、100歳まで生活していけません。
総務省統計局の2017年の「家計調査報告」によれば、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は、5万4519円の不足。
貯蓄を切り崩して補うしかありません。
その場合、月5万円必要となるので、年間60万円。
年金が支給される65歳までは継続雇用などで働くとして、65歳以降は無職で年金生活を送るとすると、
80歳までは15年あるので、60万円×15年=900万円。100歳までは35年あるので、60万円×35年=2100万円。
これが、老後2000万円問題の根拠だったのですね。。